京大・阪大・医学部受験のあれこれ

京都大学大学院卒のプロ講師・家庭教師によるブログ

京大時代④ ー 宇宙物理学の道へ

3回生では物理系の単位を中心に履修するようになりました。
当時の京大は履修登録の際、1回生のときから同じ台紙に単位のチケットを貼り付けて履修登録をしていましたが、この時期になると私の台紙は溢れてスペースがなくなっていました。
 
4回生になると、院試の準備をはじめました。
京大の大学院は完全実力主義でしたので、京大生だからといって引き上げてくれたりなどの忖度はありません。完全に試験の内容で切られてしまいます。ですので院試はかなり気合を入れて勉強していましたが、院試の問題はそうそう簡単に解けるものではありませんでした。
 
しかし、やはりそこは京大理学部というだけあって中にはものすごく優秀な人間がいるものです。私は優秀な学生に目をつけて、勝手に大鴨・中鴨・小鴨と名付けて、わからない問題があるたびにその難易度に応じて、その学生に聞きに行きました。この問題は小鴨でなんとかなるか、この問題はかなり厳しそうやから大鴨に頼ろう、といった具合です。ただ教えてもらうのに毎回お土産でケーキなどのお菓子を持参していったので、かなり出費はかさみました。
 
院試では試験自体はなんとかなりました。ドイツ語の試験も、試験前日に和独辞典をかってなんとかなりました。(試験は辞書持ち込み可だった)
 
ヒヤヒヤしたのは口頭試問でした。他の受験者がみな5分程度終わっていたのでかんたんなことを聞かれるのかと思っていたのですが、聞かれたことがさっぱりわかりませんでした。ですので、研究室の黒板を勝手に借りて、ああだこうだと説明しながら教授と議論しました。30分以上も議論を続けてようやく口頭試問が終わったのですが、念のため最後には「落としたら放射線入りのソースをご範囲混ぜるで」と教授に釘を刺しておきました。教授は「お前やったらやりかねん」といっていましたが、そのおかげかなんとか院試をクリアして、研究室に入ることができました。
 
大学院では天体核物理学というのが専門です。大学院の2年間はそこで宇宙物理学の理論的研究を行いました。