センターからめずらしく公立中学に通う方への家庭教師案件をいただき、指導をすることになりました。
実家はお医者さんのようで母子家庭ではありましたが、お家はごくごく普通のご家庭というイメージでした。
お母さんは証券会社にお勤めで、ご本人は公立高校に通い公立の中学生らしくクラブ活動を活発に行っていました。
主に学校の授業の先取りと定期テスト対策を行っていました。
そんな中夏休みのある日、彼女から1冊の本を渡され、「後はよろしく」と言われました。
私が「なんのこと?」と聞くと、読書感想文の課題があるのでやってくれというものでした。
正直、家庭教師にとって夏休みな非常に忙しい期間なのですが、講師に宿題をやらせようとするとはなかなか根性があるなと思い、面白半分にその課題をやって見ることにしました。
内容な林業に関する物語だったのですが、私は散歩がてらその本を呼んで、それから色々と調べたのち、文章を書いて渡してあげました。
学校が始まって数ヶ月後、彼女の机の前に賞状が貼ってありました。
なんと学校内だけでなく、府内で賞を取ってしまったようでした。
正直これはやばあっと思い焦りました。
次の年、なぜか本人だけでなく母親同伴の上、読書感想文を書いてもらえないかとお願いされました。
何だそりゃと思いましたが、賞を取れると思わないでと伝え、控えめに書いて渡してあげました。
さすがにその年は何も賞を取ることはありませんでした。私はホッとしました。
その後、高校受験が近づくと、受験用の塾に通い始めて、その授業のために私の授業時間が中々取れなってきました。結局受験は塾をメインにやっていくということで、受験まで行くことなく終了することになりました。
その次の年の夏また、そのお母さんから電話がかかってきました。
「どうされました?」
と聞くと、お母さんから
「読書感想文をお願いします。」
と一言。
私は理系(それも主に大学受験)の講師であって、読書感想文の先生ではない。
そのお母さんには、学校が変わっているので、中学生のころ出した読書感想文を出せばいいんちゃいますかと伝え、なんとか回避しました。
2年分は読書感想文は書かずに済んだのでしょう。